エネルギー医学の最前線

エネルギーの医学の専門家の目線で、ホリスティックにいのちと暮らしについて綴ります。https://energymedicine-magazine.jimdo.com

【無料版】 vol.69 「易経と身体智」天外 伺朗(2018/9月配信)

 

 

 心理学者のユングは、中国から帰ってきた宣教師ヴィルヘルムと共に約一年間にわたって易経の実験をし、「卦は当たる、ときには未来のことも予測できる」と結論付けた。もちろん何故当たるのか、科学的な説明はできない。

 

私は、「人間の身体は、意識レベルではわかっていない、様々な情報をキャッチしている」という「身体智」という概念で、これを説明している。易者が64本の筮竹を「えいっ」と二つに分けるときに「身体智」が働いて、宇宙の流れを検知しているのではないか、という推定だ。「O-リングテスト」なども、この「身体智」で説明できる。

 

当たるのなら、医療診断に使えるかというと、ちょっと難しい。医師が患者の前で筮竹をじゃらじゃらやって卦を立てたら、たとえその医師が名人級の易者で的確な診断をしたとしても、間違いなく世の中の顰蹙を買うだろう。

 

エネルギー医学と称される手法や機器は、ほとんどが科学的な説明はできない。その中には本当に有効な方法論もあるだろうし、迷信や思い込みの魑魅魍魎の類もあるだろう。どこで線を引けるか、誠に悩ましい。

 

世の中一般には、科学的な検証ができず、原理的に説明できないと「非科学的」として切り捨てる傾向が強い。でもそうすると、本当に有効な方法論まで葬り去ってしまうことになる。日本ホリスティック医学協会では、それを避けるために、なるべく線を引かないで様々な方法論を受容してきた。でも、そのために魑魅魍魎の類までも抱え込んでしまった可能性も高い。

 

科学的な説明はできないが有効な方法論を、詐欺的なマーケティングを排して、しっかりと定着させるためには、臨床データを積み上げるよりほかに方法論はない。が、これとて容易ではない。まともな実験ができる人が限られているからだ。病気の治療ということになれば、医師、それも臨床的な実験に関してトレーニングを積んだ医師でないと、まともな結果は出せないだろう。

 

それでも、医師自体がその方法論の推進者なら可能性はある。医師と歯科医師が推進母体のバイオレゾナンス医学会では、科学的には全く説明が不可能な、ゼロサーチとレヨメーターを使った医療の臨床的な検証がかなり進んでいる。

 

医師以外が推進している方法論は、医師に臨床的な検証を依頼するよりほかに術はないのだが、これは難問だ。当たることがわかっている易経でも、医師が臨床で用いたら世の中の顰蹙を買うからだ。ましてや実績がわからない怪しげな方法論の臨床実験を実施すると、下手をするとその医師が世間から抹殺されかねない。大学病院で、倫理委員会の了承の下に行えば医師に被害は及ばないが、今度は莫大な費用が掛かる。

 

有効な方法論でも、似非科学を用いた素人だましの詐欺的なマーケティングが結構はびこっている。それと魑魅魍魎の類のいずれかに接した人は、どうしても代替医療に失望するので、西洋医学標準治療へと回帰する力学が働く。アメリカでは、ひところ盛んだった代替医療が、最近では見る影もなく下火になってきた。エネルギー医学が世の中に広く受け入れられて健全に発展するということは、かなりの難題だ。

 

 

 

 

 

 

 

天外 伺朗(てんげ しろう)

 

本名:土井利忠。工学博士(東北大学)。名誉博士エジンバラ大学)。元ソニー上席常務。1964年、東京工大卒。ソニーに42年間勤務。CD、NEWS(ワークステーション)、AIBO(犬型ロボット)などの開発を主導。天外伺朗ペンネーム)として、医療改革、教育改革、経営改革などに取り組む。ホロトロピック・ネットワーク代表、フロー・インスティテュート代表、天外塾塾長。ホワイト企業大賞企画委員長。著書多数。

ホロトロピック・ネットワーク
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天外塾
http://www.officejk.jp/

 

 

 

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