エネルギー医学の最前線

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【無料版】 vol.43 天外 伺朗「無分別智医療 (1) 」(2018/3月配信)

 

 

 

 


 昨年、『無分別智医療の時代へ』(内外出版)を上梓しました。


「無分別智」というのは耳慣れない言葉だと思いますが、仏教用語です。物事がすべて融合している「悟り」のレベルの認識をいいます。「主体・客体」、「正・誤」、「正義・悪」などが区別されずに、一体として感じられるというレベルです。

 

 

 

「なんのこっちゃ?」とほとんどの人が思うでしょう。

 

 

 

 瞑想を実習していると、たとえば目の前の樹木と一体となったような感覚を体験することがあります。典型的な神秘体験であり、おびただしい涙が流れます。


 人によっては宇宙と一体になったような体験をすることもあります


 瞑想中に神秘体験をしたからといって、「無分別智」には程遠いのですが、「主体・客体」が融合するというのはこういう感じかな、とほのかに想像できるようになります。

 

 

 

 私たちは日常的には、ものごとを分け隔てて認識しており、これを「分別知」と呼びます。これをお読みの皆さんも「悟り」には程遠いと思いますので、「分別知」しか知らず、神秘体験でもしていない限り、「無分別智」の説明は納得できないでしょう。
 

 一般に「無分別」というと、思慮がない、見境がない、わきまえがないなどネガティブな意味になりますが、仏教では真逆で、宇宙の本質をとらえた「悟り」のレベルの智慧ということになります。


 一方、「分別がある」というのは一般には誉め言葉ですが、仏教で「分別」というとものごとを分け隔ててしまうので、宇宙の本質から外れた「凡夫の浅はかさ」のあらわれ、ということになってしまいます。

 

 

 

 科学というのは、ものごとを分け隔てて分析するので、あきらかに「分別知」に分類されます。


 いま世の中は 「科学至上主義」ですので、科学で説明できないと非科学的だ、と切り捨てられる傾向があります。


 ところが仏教では、その科学を「凡夫の浅はかさ」としてあっさり切り捨てているのです。


 仏教はそんなに偉いのでしょうか。「無分別智」というのは、そんなにすごいのでしょうか。

 

 

 

 近年、「O―リングテスト」とか「ゼロサーチ」(バイオレゾナンス医学)とか、科学では説明のできない方法論が医療の世界に入ってきて、盛んに実績を上げています。身体に毒な物質を持てば「O-リング」はパカッと開くし、よく効く薬を持てばきつく締まります。我々は、意識レベルでは検知できていませんが、身体は毒か薬かを的確に判断しています。


 これを「身体智」と呼ぶことにしました。「身体智」はあきらかに「無分別智」の一部です。

 

 

 

 同じことを「分別知」である科学で調べようとすると、X線クロマトグラフィーなどで成分分析をし、データベースに参照して毒か薬かを判断することになります。


 試料は破壊されるし、分析に時間も費用もかかり、しかも一般論しかわかりません。日常生活では包装などで簡単にごまかされます。

 

 

 

 「O-リングテスト」などの「身体智」を使えば、試料は破壊されず、瞬時にわかり、費用も掛かりません。どのくらいの量の薬を飲んだらいいか、などの個別情報も得られます。包装でごまかされることもありません。


 科学的方法論というのは、「凡夫の浅はかさ」といわれても仕方がないほどお粗末なのです。その代わりに、しっかりと科学的に検証されており、誰がやっても同じ結果が得られます。


 一方の「身体智」の方は、検証されておらず、熟練が必要で、精神状態によって結果が変わります。ようするに「あやふや」なのです。「易」や「こっくりさん」と、本質的には同じです。場合によっては、詐欺や「壺売り」につながる危険性もあります。残念なことに「O-リングテスト」を使った詐欺的な医療の話を時々聞きます。

 

 

 

 近代医療は、中世の呪術的な医療から脱却して、科学的検証をベースにして、徹底的に「あやふやさ」を排除する方向で発達してきました。


 近年、「無分別智医療」が急速に発達して実績を上げてきましたが、科学的検証という確固たる土台を離れ「あやふやな」感覚のみがベースになります。


 人によっては、中世の呪術的な医療が復活した、という印象を持っています。そのためか、疑いの目で見る患者や医療者も多く、社会全体の中ではまだ市民権を得たとはとても言えないでしょう。


「無分別智医療」が詐欺や「壺売り」に流れないで、健全に発展するにはどうしたらいいのか、医療関係者の智慧が問われることになりそうです。

 
 

 

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天外 伺朗(てんげ しろう)

 

本名:土井利忠。工学博士(東北大学)。名誉博士エジンバラ大学)。元ソニー上席常務。1964年、東京工大卒。ソニーに42年間勤務。CD、NEWS(ワークステーション)、AIBO(犬型ロボット)などの開発を主導。天外伺朗ペンネーム)として、医療改革、教育改革、経営改革などに取り組む。ホロトロピック・ネットワーク代表、フロー・インスティテュート代表、天外塾塾長。ホワイト企業大賞企画委員長。著書多数。

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天外塾
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