エネルギー医学の最前線

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【無料版】 vol.16 矢山 利彦 「空海に学ぶ意識の成長進化」(2017/9月配信)

 

 

 

前回は、

 

空海大師の「十住心論」を紹介しました。

 

 

 

人は自分の意識を成長進化させたいと

 

心の奥底では願っているはずですが、

 

なかなかそうはいかないものです。

 

 

 

その原因を仏教では

 

煩悩と呼んでいます。

 

 

空海大師の「遊山慕仙詩」

 

の内容にこうあります。

 

 

私の訳で紹介します。

 

 

 

 

 

鴉は腐った餌をあさり求め、

 

犬は穢れた臭を求め追う。

 

人は蘇合という芳香を

 

良いものとして欲する。

 

 

 

これらは物に対する貪欲に

 

縛られているという点では

 

何等異なることはない。

 

 

 

それは糞の中に居て、

 

糞を良いものとして

 

喰っている糞虫に等しいのです。

 

 

 

あわれみ、慈しみが

 

本当にあるならば、

 

仁政のしるしである麒麟が現れるはず。

 

しかし人々は犬のように穢臭を求め、

 

羊のように婬食を求めて迷っている。

 

実のない理屈を言うことは、

 

オウムのよう。

 

正しい教えを聴いているふりは

 

するけれど、実際は、

 

賢くすぐれた人から遠ざかっている。

 

 

 

これは「痴」という煩悩の姿に

 

ほかならない。

 

山犬や狼が鹿を捕え喰い、

 

獅子が大鹿小鹿を獲て喰う。

 

目をつりあげて怒り、

 

暑かろうと寒かろうとお構いなし。

 

激しく談合して

 

互いに傷つけあうことまでする。

 

これが「瞋=怒り」という

 

煩悩の姿にほかならない。

 

 

 

 

糞虫が糞を求めるように、

 

人が何かに愛着して

 

縛られていることを「貪」、

 

 

 

仁義を口にしても

 

実行が伴わないことを「痴」、

 

 

 

強者が弱者を虐げ、

 

同じ程度のものは激論して

 

傷つけあうことを「瞋」という。

 

 

 

これら煩悩の三毒の中に

 

人々は存在している。

 

 

 


「貪」「瞋」「痴」の中に流され、

 

漂っている自分に気がつくと

 

愕然とするのです。

 

 

 

 

 

 

 

矢山 利彦(ややま としひこ) 

バイオレゾナンス医学会理事長。Y.H.C.矢山クリニック院長。九州大学医学部卒。
漢方薬鍼灸などの研究、実践を経て、気功に辿り着く。大学院博士課程にて免疫学を研究後、佐賀県立病院外科医長、東洋医学診療部長を暦任。
2001年、Y.H.C.矢山クリニック開院。 

バイオレゾナンス医学会
http://www.bio-resonance.jp/

Y.H.C.矢山クリニック
http://www.yayamaclinic.com/